ひつじが精肉工場で働いていた時の事。
同僚にはフィリピン人2名、中国人4名在籍していました。
精肉工場で扱うお肉は「牛」と「豚」。
それを「小間切れ」「生姜焼き」「切り落とし」「ミンチ」などに加工して軽量して、パッケージをつけて…などの工程を担っています。
働いていた頃は勿論「コロナ」もまだ流行しておらず、感染症に関しては実に穏やかな時代だったと思います。
中国人の方がなぜ日本の企業で「研修生」でもなく働けているのか、いささか疑問には思っていたものの、まぁ日本語が理解できなくても漢字がある程度理解できているので業務に問題はほぼなし。
唯一問題となるんであれば、衛生観念でしょうね。
マスクをつける意味、グローブを付ける意味をあまり理解していない人が多かったと思います。
が、一度「稼ぐ!」と決めたからには「稼ぐ」タイプのメンバーだったので、上司がきつく指示を出せばルールをある程度守り、仕事は器用で活躍していました。
週に1度ほどは「怒号」が聞こえてきましたけどね、どうも協調性の無さについてはお国柄かも知れませんね。
だって優しいところもたくさんあって、ヒツジが新人の頃にはよく助けてくれました。
ヒツジ少々中国語が話せたので(今は無理)それもあるかもですが…
とっても困ったのが、フィリピン人の女性2人。
英語が話せど、日本語が読めない。
それを雇う食品企業もどうかと思うけれど、昨今どの求人サイトを見ても食品倉庫には外国の方が働かれているようですね。
じゃぁ、なぜ雇うのか?働ける人が本当に少ない現場だからです。
実際に、食品加工業の厳しさは女性には特に過酷です。
まず、寒い!
メインの作業場で10度以下、冷凍個での作業もあるので常にヒートテックとカイロをつけても仕事後は冷え切ります。
そして精肉加工ですから、スライサーという大きな機械で肉をスライスしていきます。
ミンチにする機械もあります…
ヒツジもスライサーを使ってお肉のスライスをしていましたが、当然指切断の危険があるものです。
指を切り落とす方が逆に簡単じゃん!って思える程なかなかの機械ですよ💦
ヒツジの場合、
働くことに疲れていたことと、勤務時間が合っていたことと、とりあえずすぐに働かせてくれるということだったのでその会社に入ったのですが、まぁとにかくお肉を扱うからなのか「個性の塊」の現場でしたね。
さて、フィリピン2人の話に戻しましょうか?
彼女たちは高齢の日本人男性と結婚してビザを取得して日本で暮らしています。
実際に話を聞いてみると、高齢の旦那さんとは意思疎通はほぼ無理とのこと。
とりあえず「籍」と「ビザ」が手に入ればOKという相違の合意らしいです。
大人の世界ですよね…
ヒツジの知っているフィリピン人の方の多くは日本語は話せますが、読み書きはやはり難しそうでした。
彼女たちは、その両方も無理💦
ただ中国人の方同様に、器用なので見様見真似で仕事を覚えていきます。
食肉加工倉庫で日本語が読めないと起きるインシデントと言えば…
産地偽装問題が一番ですよ。
正直、加工されてしまったお肉を見て、ヒツジたちも産地なんて分かりません。
加工で残ったお肉や、使えない端っこの方などはミンチにして商品化するわけですが、1日の作業でそのお肉を少しずつ貯めていくわけです。
自分の作業が終わったら、「このお肉は国産ね」とか、「カナダ産ね」とかね。
高級なお肉もありますから、さらに分別は細かくなり「松阪」「飛騨」とかになる。
こうなると、日本人の私たちでも、頭の中冷え切って脳みその回転悪くなっているので正直確実に分別できているのかわからなくなります。
しかもチェック機能はどこにもなく、倉庫の片隅の寒い場所におかれた食品ケースに自分たちが入れていくので、入れちゃえばおしまい!的な流れ。
時々ヒツジはフィリピン人の同僚に、ちゃんと分けたか?産地はわかった?
と英語で尋ねると必ず「大丈夫」と返ってきます。
「大丈夫」=何も悩まず仕事をこなしたわ=産地なんて読めないもの
この公式…暗黙のスルー案件です💦
産地や指示が分からないことが、彼女らにとって「わからないから、やる必要はない」という論理付けされているあたりに、お国柄というか、海外で苦労して働いたヒツジにとっては羨ましくもあるのです…。
おかげさまで、色々な現場で働いてきたヒツジ。
絶対に立ち入らない外食店やスーパーマーケットが増えました(笑)
ひつじ のROOM - 欲しい! に出会える。 (rakuten.co.jp)
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ありがとうございます(#^^#)
大変お世話になっておりますいらすとやさんには心から感謝です。